感傷に燃ゆる街 2002.8.9.
「寒さの夏」も知らぬ街 南の海 北の森 西の河 東の大都 天の蒼穹 菫の夜
燃ゆる土 燃ゆる水 涙ひとつ 流す水鳥
そこにいた君は優しい風 目を背けると去っていく 価値が僕らの身体から 崩れ落ちる時代だから
僕が欲しいと思っていたもの 擦り抜けていった 喜び 癒し 和み 満足 そして感傷的な風
君は今そこにいる でもすぐに去っていく 絵画が画家の眼から 色を奪う時代だから
言葉も響かぬ時 僕は遠くへやってきた 君のいるところへ 君と一緒に
透き通る街の影 月に映るは火輪の炎 心根は人知れず 闇に届く手 雫さえ哀しく
かの幻は 尾を引いて 渦巻いては 銀河となる
短すぎる命と移り変わる季節 飛び散る景色と変わらぬ記憶 尾を引いて渦巻いては 星と流れる
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